「質屋ってどんなところ?」「利用すると何ができるの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
実際、質屋や消費者金融の違いを正しく理解している人は意外と多くありません。また、自分が質屋を利用すべきかどうかは、目的によってしっかり判断する必要があります。
本記事では、質屋の基本的な仕組みから利用できるサービス、他の金融サービスとの違いまで丁寧に解説します。
初めての方でも安心して判断できる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
質屋とは何か

質屋とは、お客様が所有する価値のある品物を担保として預かり、その評価額の範囲内で現金を貸し出す業者のことを指します。
以下では、質屋の定義や役割、実際のサービスなどを解説していきます。
質屋の定義
質屋とは、価値のある品物(ブランド品、貴金属など)を担保として預かり、その評価額の範囲内で現金を貸し出す業者です。
この行為を「質入れ」や「質預かり」と呼びます。質屋は鎌倉時代から700年以上続く歴史ある金融サービスであり、質屋営業法に基づいて営業しています。
質屋のシステムは、銀行や消費者金融とは異なり、担保を基盤とする点が最大の特徴です。
質屋の役割
質屋の主な役割は、緊急時の資金調達手段を迅速に提供することです。
給料日までの生活費や冠婚葬祭などの急な出費に対応するために利用されることが多いです。品物を担保とするため、銀行や消費者金融のような信用情報に基づく複雑な審査が一切不要で、短時間で融資を受けられます。
また、万一返済できなくても、品物を失うだけで済み、借金や取り立ての心配がない、安心・安全なシステムを提供しています。
質屋が扱う主なサービス
質屋が提供する主なサービスは、「質預かり」(質入れ)と「買取」の二種類です。
質預かりは、品物を担保に現金を借り入れ、期限内に返済すれば品物を取り戻せるシステムです。
一方、買取は品物を完全に売却し現金化するサービスで、リサイクルショップと同様の機能も兼ね備えています。これにより、利用者は大切な品物を手放すか、不要な品を現金化するかを状況に合わせて柔軟に選択できます。
質屋の基本的な仕組み

質屋の基本的な仕組みについて、以下の点から確認していきましょう。
・品物を担保にお金を借りる仕組み
・現金を受け取るまでの流れ
・質入れ後の選択肢
品物を担保にお金を借りる仕組み
質屋は、お客様が持ち込んだ品物(質草/質物)の価値を査定し、その評価額の範囲内でお金を貸し付けます。
品物がお金の担保となるため、融資に際して個人の信用情報などの審査は一切行われません。
お客様は融資額を受け取る代わりに品物を質屋に預け、質屋は品物を質屋営業法の基準を満たした耐火・防犯性能に優れた質蔵や金庫で大切に管理・保管します。
現金を受け取るまでの流れ
お客様は質入れする品物と、現住所が記載された公的な身分証明書を持って質屋に来店します。
専門の査定員が品物を査定し、融資額を提示します。金額に納得すれば、必要事項を記入し、即日その場で現金を受け取ることができます。
この手続きは最短5分から15分程度で完了し、品物の詳細や期限、借入金額などが記載された質札が手渡されます。
質入れ後の選択肢
質預かりの基本的な保管期限は原則3ヶ月であり、お客様には主に三つの選択肢があります。
一つ目は、元金と経過期間の質料(利息)を支払い、品物を取り戻す受戻し(出質)。二つ目は、質料のみを支払って期限を延長する利上げ(延長は質料を払い続ける限り何度でも可能)。
三つ目は、返済も延長も行わず、品物を放棄して質流れとすることです。質流れになった場合、借金の返済義務はなくなります。
査定の決まり方
質屋の査定額は、その品物の買取相場と状態によって決定されます。
相場には定価、製造年、モデル、市場での人気の有無などが影響し、状態では新品か中古か、保存状態、付属品の有無などが細かくチェックされます。
質屋が預かる品物の価値は、中古市場での換金性に基づきます。なお、質入れの融資額は、質屋側の保管リスクやコストがあるため、買取査定額から一般的に2〜4割程度差し引いた金額となる傾向があります。
さらに質屋の仕組みについて知りたい人は以下の記事を参考にしてください。
>> 質屋の仕組みとは?現役の質屋が成り立ちや特徴、利用するメリットまでわかりやすく解説
質屋における質入れと買取の違い

質入れは、お客様の品物を一時的に担保として預け、その価値に応じた融資を受ける仕組みです。
一方、買取は品物を業者に売却し、その代金を受け取るサービスです。両者は似ていますが目的や仕組みが大きく異なるため、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
質入れは「品物を戻せる」仕組み
質入れ(質預かり)は、お客様の品物を一時的に担保として預け、融資を受けるサービスです。
品物の所有権は常にお客様側にあるため、定められた期限内に元金と質料を支払えば、預けた品物は必ず手元に戻ります。
これは、手放したくない大切な品物を担保に一時的に資金調達したい場合に最適な仕組みです。
買取は「完全に手放す」仕組み
買取は、お客様が品物を業者に売却し、その対価として現金を受け取るサービスです。
買取が成立した瞬間、品物の所有権は質屋に移り、原則として一度手放した品物は二度と手元には戻りません。
そのため、完全に不要になった品物を、利息や返済の心配なく、相場に応じて高額で現金化したい場合に適しています。
質入れと買取の使い分けポイント
品物を手放したくない、または給料日までのつなぎなど短期的な資金が必要な場合は質入れが適しています。
一方、品物が完全に不要であり、少しでも高い金額で現金化したい場合は買取が有利です。
査定額だけを比較すれば買取のほうが高値がつきやすいですが、思い入れのある品物は、戻すことが可能な質入れを利用する方が精神的にも良いでしょう。
質屋の利息と質料

質屋で発生する利息(質料)については、次の3つのポイントから確認していきましょう。
・質料の内訳
・利息の相場と法律で定められた上限
・利息が高くなりやすい理由
質料の内訳
質屋でお金を借りた際に支払う費用は質料と呼ばれます。
質料は、融資に対する利息だけでなく、お預かりした品物を安全に管理・保管するための保管料等も含まれている費用です。
消費者金融や銀行の借入でかかる事務手数料、鑑定料、印紙代などのその他の手数料は一切不要であり、お客様が負担するのは原則としてこの質料のみです。
利息の相場と法律での上限
質屋の利息は質屋営業法に則って定められており、法律上の上限は年率109.5%(月利9%)です。
しかし、実際の適用利率は借り入れ金額に応じて変動し、高額になるほど利率が低くなる傾向があります。
例えば、ある質屋では100万円以上の場合月利1.25%が適用される一方、一般的には月利3%〜最大8%が相場とされています。
利息が高くなりやすい理由
質屋の利息は、他の金融サービスと比較して高めに設定されやすい側面があります。
主な理由の一つは、利息計算が日割りではなく、月単位(満月計算または暦月計算)で行われることが多いためです。
たとえ1日だけ借りたとしても、1ヶ月分の利息が発生します。また、少額の借入ほど月利が高くなる傾向があるため、短期利用には便利ですが、長期での借入には不向きとされています。
>>質屋の金利や利息は高い?計算方法や利用するメリット・デメリットまで解説(公開後リンク挿入)
質屋を利用するメリット

質屋を利用するメリットとして、以下が挙げられます。
・審査なしで即現金化できる
・信用情報に影響しない
・返済できなくても借金にならない
審査なしで即現金化できる
質屋の最大のメリットは、担保となる品物さえあれば審査が不要で迅速に資金調達が可能な点です。
銀行や消費者金融が行うような信用情報に基づく厳格な審査は一切ありません。そのため、来店し査定額に同意すれば、早ければ最短5分から15分程度でその場で現金を手にすることができ、急な資金ニーズに即日対応できる迅速性が大きな利点です。
信用情報に影響しない
質屋は信用情報機関の情報を利用しないため、質屋での取引や利用履歴が個人の信用情報に記録として残ることはありません。
これにより、信用情報に傷がつく心配がないため、過去に金融機関で延滞や事故歴(ブラックリスト)がある方でも、安心して資金を借り入れることが可能です。
返済できなくても借金にならない
万が一、質預かりの期限までに元金や質料を返済できなくても、担保品を放棄し質流れにすれば、その後の元金と利息の返済義務が免除されます。
品物を失うこと以外に、お客様が負うリスクがない点が質屋システムの最大の安心ポイントであり、消費者金融のような厳しい催促や取り立てを一切受けることがないため、リスクを抑えて利用できます。
質屋を利用するデメリット

質屋を利用するデメリットとして、以下が考えられます。
・利息が高めに設定されやすい
・返済期限が過ぎると品物が戻らない
・査定額が期待よりも低い場合がある
利息が高めに設定されやすい
質屋の利息(質料)は、消費者金融などと比較して高めに設定されやすい側面があり、法律上の上限は月利9%です。
月利で計算されることが多く、日割り計算が適用されないため、たとえ1日だけ借りても1ヶ月分の利息が発生します。
少額の借入ほど高利率になる傾向があるため、短期利用には便利ですが、長期での借入には不向きとされています。
返済期限を過ぎると品物が戻らない
質預かりの基本的な保管期限は3ヶ月であり、この流質期限を過ぎてしまうと、お客様が元金や質料を支払う権利を失い、預けた品物は自動的に質屋の所有となります。
一度質流れになると、その品物を取り戻すことは原則として不可能となるため、手放したくない大切な品物を担保にする場合は、期限の管理を徹底する必要があります。
査定額が期待より低い場合がある
質入れの融資額は、品物を完全に売却する買取査定額よりも低く設定される傾向があります。
これは、質屋が品物を一定期間保管するコストや、相場変動のリスクを考慮する必要があるためです。一般的に、買取査定額から2割〜4割程度差し引かれた金額が融資の上限目安となるため、希望する金額を借りられない場合がある点に注意が必要です。
査定額はその時の流行や在庫状況によっても変動します。
質屋で質入れ可能な品物

質屋で担保にできる品物は、価値が安定している貴金属、宝石、高級腕時計、ブランドバッグ、カメラやパソコンなどが挙げられます。
一方、食品・植物・ノーブランド品・壊れた家電などは担保として扱われにくく、店舗によって取り扱いジャンルも異なります。
楽器や家電を扱う店もあれば対応外の店もあるため、希望の品物が質入れできるか事前に確認することが大切です。詳しくは以下の記事で解説しているのでご覧ください。
>> 質屋 担保にできるもの(公開後リンク挿入)
質屋と他サービスの違い

質屋と以下サービスとの違いについて確認していきましょう。
・質屋と買い取り専門店の違い
・質屋と消費者金融との違い
質屋と買取専門店の違い
質屋と買取専門店の最大の違いは、品物を手放すかどうかにあります。
買取専門店は品物を売買する機能しか持たないのに対し、質屋は品物を担保に資金を借りる「質預かり」と「買取」の両方に対応しています。
買取店は相場に応じて高額査定が期待できますが、質屋は返済の心配なく、手放したくない大切な品物を一時的に活用できる点で優れています。
質屋と消費者金融の違い
質屋は品物という担保が必要ですが、信用情報に基づく審査が不要です。一方、消費者金融は担保が不要ですが、厳格な審査(信用情報利用)が必要です。
最も重要な違いは、質屋は質流れになれば債務が免除され、取り立てがないのに対し、消費者金融は借金として返済義務があり、延滞すれば取り立てや信用情報に悪影響が出る点です。
質屋を賢く利用するコツ

質屋を賢く利用するコツとして、以下が挙げられます。
・まとめて査定に出す
・品物の状態を整えておく
まとめて査定に出す
高額査定を引き出すためには、質入れしたい品物を複数点まとめて査定に出すことが有効です。
まとめて査定に出すことで、質屋側は人件費を削減できるため、その分高い査定額となる可能性が高まります。
また、査定時には付属品(箱、保証書など)が揃っているかどうかも金額に影響を与えるため、可能な限り全てを揃えて持ち込むべきです。
査定額が上がれば、借入金額も増え、結果的に適用される利息(質料)が下がる可能性もあります。
品物の状態を整えておく
査定額は品物の状態に左右されるため、持ち込む前に品物を綺麗にしておくことも重要です。
また、希望する借入金額がある場合は、査定員に最初に伝えておくことで、スムーズに交渉を進めることができ、査定額の上限まで借りる必要がない場合は、必要な分だけ借りることも可能です。
質屋を利用する人の特徴

質屋を利用する人の特徴として、以下が考えられます。
・急な出費に対応したい人
・資産を手放したくない人
・ブランド韻を活用したい人
急な出費に対応したい人
質屋を利用する人は、給料日前で資金が不足している場合や、冠婚葬祭などの予測できない急な出費が発生した際に、迅速な資金調達を求める人々です。
銀行や消費者金融と異なり、審査がなく短時間で現金が手に入るため、急な資金ニーズに素早く対応したいサラリーマンや自営業者などに支持されています。
資産を手放したくない人
質屋は、大切な品物や思い入れのある資産を売却せずに、一時的に資金調達をしたいと考える利用者に最適です。
返済すれば品物は手元に戻るため、品物を単なる「倉庫代わり」として利用するケースや、投資家が資産(高級時計など)を預けて短期的な資金を調達するケースも見られます。
品物を失うリスクを限定的に抑えつつ、資産価値を活用できる点がメリットです。
ブランド品を活用したい人
質屋は、自身が所有するブランドバッグ、高級時計、貴金属といった換金性の高い品物を有効活用したい人に適しています。
信用情報を使わずに即座に現金を手にできるため、家族や周囲に内緒で資金調達を行いたい利用者も多いのが特徴です。自身の大切な資産価値を把握し、必要な時に活用したいと考える層に利用されています。
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