質屋や買取店を利用して売却益が出た際に、確定申告が必要になの?と疑問に思っている方は多いでしょう。
一定の条件を満たす所得を得た場合には、確定申告を行なって税金を納めなければなりませんが、どのような場合に確定申告が必要になるのか気になりますよね。
今回は質屋・買取店で得た利益に確定申告が必要なのかについて、昭和24年創業の質屋・まるみや商店が解説します!
税金がかかるケースを把握して、正しく手続きができるようにしましょう。
目次
質屋(質預かり)は「借入」なので確定申告は不要
質屋で「質預かり」のサービスを利用して受け取ったお金は「借入」に該当するため、確定申告は不要です。
確定申告は個人が得た利益に対して行う手続きであり、返済を前提にした借入は利益には該当しません。
そのため、「質預かり」を利用した場合には、確定申告はしなくてよいと覚えておきましょう。
買取による利益は金額によって確定申告が必要
質屋や買取店で「買取」のサービスを利用して利益を得た場合には、利益の金額に応じて確定申告が必要になります。
買取サービスによって得た利益とは、「品物の売却金額」から「購入時の金額」を引いた金額を指します。
例えば、50万円で購入した腕時計の価値が高騰して80万円で売れた場合、「80万円−50万円=30万円」が最終的な利益となります。
買取で確定申告が必要になる3つのケース

買取で確定申告が必要になるケースとしては、主に以下の3つが挙げられます。
どういった場合にどの所得に該当するのかも含めて詳しく見ていきましょう。
譲渡所得が年間50万円を超える
譲渡所得とは、個人が所有する資産や物品を譲渡したことで得た利益を指します。
個人が買取サービスの利用で得た利益に関しては、「譲渡所得」に該当するものがほとんどです。
譲渡所得には、50万円の特別控除が適用されるため、1年間の利益が50万円以内であれば、譲渡所得は発生しません。
売却益が50万円以上だった場合には、超えた部分に対して税金が発生するため、価値が高騰した品物を売る時や、プレゼントされた品物を売却する際には、金額のチェックが必要です。
生活用動産は対象外
1点あたり30万円以下の生活用動産の譲渡益に対しては、税金はかかりません。
生活用動産とは「家具」「家電」「食器」「衣類」など、日常生活で使用する品物を指します。
上記の生活用動産を売却して利益が出たとしても、1点あたり30万円以下であれば、譲渡所得には該当しないため、税金の心配をする必要がありません。
雑所得が年間20万円を超える
雑所得は、不用品の売却を繰り返し行なって得ている利益を指します。
事業として本格的に行なっているわけではない「転売」や「せどり」などで得た利益は、雑所得に該当します。
譲渡所得との違いとしては、単発の売却であれば「譲渡所得」、繰り返しによる売却であれば「雑所得」と判断してください。
雑所得に該当する場合には、年間20万円以上の利益が発生している場合に、税金が発生します。
事業所得が発生している
事業所得は、中古品の売却を事業で行なっている場合に該当します。
個人で中古品の買取サービスを利用しても事業所得に該当しないため、個人事業主の方以外はあまり気にする必要はありません。
【ケース別】買取で確定申告が必要かどうかを診断

買取サービスを利用して利益を得た場合に、確定申告が必要かどうかをケース別に判断していきましょう。
具体的な事例を見ていきながら、買取と確定申告の関係を理解してみてください。
①自分で購入したブランドバッグを売った場合
ブランドバッグは生活用動産に該当するため、1点の価格が30万円未満であれば、売却時の利益は譲渡所得と見なされません。
30万円以上のブランドバッグを売却する場合、売却益が50万円以上の場合には、税金がかかります。
なお、自分で購入したブランドバッグの場合、売却価格から購入価格を引いた金額が利益となります。
| 品物の価格が30万円未満 | 確定申告は不要 |
|---|---|
| 品物の価格が30万円以上&売却益が50万円未満 | 確定申告は不要 |
| 品物の価格が30万円以上&売却益が50万円以上 | 確定申告は必要 |
②貰い物の宝石を売った場合
宝石は生活用動産に該当するため、1点の価格が30万円未満であれば、売却時の利益は譲渡所得と見なされません。
30万円以上の宝石を売却する場合、売却益が50万円以上の場合には、税金がかかります。
貰い物の宝石の場合、購入費用が無料なので、売却金額がそのまま利益になるため、いくらで売れたかをよく確認しなければなりません。
| 品物の価格が30万円未満 | 確定申告は不要 |
|---|---|
| 品物の価格が30万円以上&売却益が50万円未満 | 確定申告は不要 |
| 品物の価格が30万円以上&売却益が50万円以上 | 確定申告は必要 |
③自分で購入した高級時計を売った場合
高級時計は生活用動産に該当するため、1点の価格が30万円未満であれば、売却時の利益は譲渡所得と見なされません。
30万円以上の時計を売却する場合、売却益が50万円以上の場合には、税金がかかります。
また、高級時計の場合、購入時よりも価値が高騰するケースもあるため、購入時と売却時の価格をよく確認しておきましょう。
| 品物の価格が30万円未満 | 確定申告は不要 |
|---|---|
| 品物の価格が30万円以上&売却益が50万円未満 | 確定申告は不要 |
| 品物の価格が30万円以上&売却益が50万円以上 | 確定申告は必要 |
買取による利益と確定申告に関する注意点

買取を利用した際に得た利益と確定申告に関する注意点としては、以下の3点を意識してください。
余計な税金がかからないように、しっかりと確認しておきましょう。
購入時と売却時の書類を保管しておく
買取による利益は「売却時の金額−購入時の金額」で計算されるため、それぞれの金額が記載された書類を保管しておきましょう。
金額を証明する客観的な書類がないと、正しい手続きができない可能性があります。
例えば、腕時計が100万円で売れた際に、購入時の金額が80万円であれば、利益は20万円で確定申告の必要はありません。
しかし、購入時のレシートなどがなければ費用を証明できず、利益が100万円とみなされ、税金が発生する可能性があります。
価値が高騰した品物を売ると課税対象になる可能性がある
腕時計や宝石類など、時間の経過によって価値が高騰する品物を売却すると、利益が50万円を超えて課税対象になる可能性があります。
基本的に中古品が新品の価格を超えることは少ないですが、品物によっては価値が上がるケースもあるため、購入時の価格と売却時の相場をチェックしておきましょう。
課税対象にならないよう数年に分けて売る
同じ年に複数の品物をまとめて売却すると、合計の利益が50万円を超えて税金がかかる可能性があるため、課税対象になりそうな場合は数年に分けて売るのがおすすめです。
譲渡所得はその年の1月1日から12月31日までに発生した利益をカウントするため、数年に分けて売れば税金がかかるリスクを軽減できます。
買取で確定申告が必要な場合の手続き

買取サービスを利用して発生した利益に対して、確定申告が必要になった時は、期限までに必要な手続きを済ませてください。
会社勤めの方で初めて確定申告する場合には、不慣れな手続きで時間がかかる可能性もあるため、スケジュールに余裕を持って行いましょう。
所得の計算方法
買取サービスの利用によって発生した利益は「収入(売却時の金額)−(取得費+譲渡費用)」で計算します。
取得費は購入時の価格などが該当し、譲渡費用に関しては、買取サービスの利用時に手数料が発生した場合に算入してください。
上記の計算式で算出した利益が50万円を超えていた場合に、確定申告を行います。
確定申告の方法
確定申告は毎年2月16日から3月15日までの間に、その前年に発生した所得に関する申告を行います。
手続きには確定申告書の作成を行い、以下の3つのいずれかの方法で提出してください。
- e-Tax(Web上で提出)
- 郵便で送付
- 所轄税務署に提出
申告内容が正しいことを証明できるように、購入時および売却時に受け取った金額の記載がある書類は大切に保管してください。
質屋・買取の確定申告に関するよくある質問
質屋・買取の確定申告に関するよくある質問をまとめました。
ここまでの内容で疑問が思い浮かんだ人は参考にしてみてください。
確定申告をしなかった場合どうなる?
申告が必要があるにもかかわらず確定申告をしなかった場合、ペナルティが課されます。
必要な確定申告をしなかったことに対する「無申告加算税」や、本来納めるべき税金を支払っていないことに対する「延滞税」など、通常よりも多くの税金を納めなければならなくなります。
さらに、所得隠しなどの目的で確定申告を怠ったなど、より悪質な場合は、より重いペナルティである重加算税が課されます。
確定申告をしないと税務署にバレるの?
基本的にはバレていると考えてください。
税務署は個人の銀行口座の動きなども調査によって明らかにできます。
買取サービスによって大きな利益を得た形跡が銀行口座から判明すれば、税務調査が行われる可能性もあるでしょう。
中古品の買取で確定申告が必要になる可能性ってある?
価値が高騰した品物を売却して利益が出た場合などで、50万円以上の利益となれば確定申告は必要です。
譲渡所得と雑所得って何で区別される?
1回きりなど単発の取引であれば「譲渡所得」、繰り返し何度も行う取引であれば「雑所得」と判断してください。
家にある中古品を買取に出す程度であれば、基本的には「譲渡所得」に該当しますが、転売やせどりなどで何度も買取を利用している場合には「雑所得」となります。
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質屋や買取店を利用して得た利益に対して確定申告が必要なのかを解説しました。
基本的には買取サービスで50万円以上の利益が出た場合にのみ、確定申告が必要になると覚えておけばいいでしょう。
中古品の買取で50万円以上の利益が出ることは稀ではありますが、価値が高騰している品物や無料で貰った品物などを売却する際にはチェックが必要です。
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