「質屋の仕組みが知りたい」「他のサービスと何が違うのか気になる」このような疑問をお持ちではないでしょうか。
実際、質屋の仕組みを理解することで、自分に合った資金調達方法を選べるようになります。なんとなく消費者金融を利用していた人でも、状況によっては質屋のほうが負担が少なく、最適だったというケースも珍しくありません。
そこで本記事では、質屋の仕組みや特徴、メリット・デメリットまでをわかりやすく解説します。初めて利用を検討している方でも判断しやすい内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
質屋の基本的な役割

質屋の役割や仕組みを、歴史的な成り立ちも踏まえながら全体像として整理していきましょう。
・質屋の成り立ちと現在のサービスの特徴
・質屋が取り扱う品物
質屋の成り立ち
日本の質屋の歴史は鎌倉時代にまで遡り、700年以上続く庶民の金融機関として長く利用されてきました。
時代により質草(担保品)は着物から家電、そして現代のブランド品や宝飾品へと移り変わってきましたが、基本的な仕組みは変わっていません。
質屋のシステムと安心できる仕組み
質屋のシステムは、お客様の品物を預かる代わりに、 その評価額の範囲内でお金を融資する仕組みです。
期限内に元金と利息を支払えば品物は返却され、 もし返済ができなくても、品物を失うだけで借金の返済義務がなくなる(質流れ) という他にはない特徴があります。 この点が銀行や消費者金融とは大きく異なります。
また、審査や面倒な手続きが不要なため、 急な資金需要にも素早く対応できる安心で安全な仕組みとして 現在も根強い人気があります。
ポイント!
- 審査が不要で誰でも利用しやすい
- 返済できなくても借金が残らない(質流れ)
- 評価額の範囲内でその場で現金化できる
- 信用情報に履歴が残らない
質屋が取り扱う品物
質屋が担保(質草)として取り扱う品物は、中古市場で換金性の高いものが中心となります。
具体的には、ロレックスなどの高級腕時計やジュエリーなどの貴金属、ルイヴィトンやエルメスといったブランドバッグ、財布・小物類、さらにはカメラやパソコン、iPhoneなどの電化製品も預けられます。
質屋で担保となる品物を詳しく知りたい人は以下の記事を参考にしてください。
>> 質屋で担保にできるものは?意外と高値がつく品や査定額アップのポイントを徹底解説
質屋の仕組みとは?お金が借りられる理由

質屋の仕組みで中心となる「質入れ(質預かり)」は、個人の信用情報ではなく、持ち込まれた品物(質物)の価値を担保にしてお金を貸すシステムです。
このため、審査に時間がかからず、品物の評価額に応じてその場で融資が受けられます。
また、返済ができない場合の扱いについても詳しく解説します。
担保になる品物を預けて融資を受ける仕組み
質屋がお金を貸す「質入れ(質預かり)」は、お客様の信用情報ではなく、持ち込まれた品物(質物)の担保価値に基づいて融資を行うシステムです。
そのため、カードローンなどで行われるような過去の借り入れや延滞の有無などを調べる審査は一切ありません。
融資額は、その品物の買取相場や状態などから算出された査定額の範囲内で決定されます。借り入れの期限は原則3ヶ月間で、この期間内に元金と利息(質料)を支払うことで、預けた品物を取り戻すことができます。
利息は、元金に対する金利だけでなく、質草を保管する際の保管料としての側面も持っています。
返済ができない場合にどうなるのか
質屋の保管期限(流質期限)である原則3ヶ月間までに元金と利息を返済できなかった場合、担保として預けた品物は「質流れ(流質)」となります。
期限までに返済ができなかった場合、品物の所有権は自動的に質屋へ移り、 お客様は品物を取り戻すことができなくなります。
しかし、これこそが質屋の安心できる仕組みであり、 質流れになることで、お客様は借りていた元金や未払い利息を含む返済義務がすべて免除 されるため、取り立てや督促の心配がありません。
質屋から返済を催促されたり、取り立てを受けたりすることは一切なく、質屋は質流れした品物を売却することで貸付金を回収します。
質と買取の違い

質入れ(質預かり)と買取の大きな違いは、品物の所有権が手元に残るかどうかという点です。
買取は、品物を売却して代金を受け取る行為であり、所有権はその瞬間にお店へ移ります。一度売却すると、同じ品物を買い戻すことはできません。
一方、質入れは品物を担保として預け、その価値に応じてお金を借りる仕組みです。期限内に元金と質料を支払えば、預けた品物は手元に戻ります。
もし返済ができず質流れになったとしても、その時点で契約は終了し、追加の返済義務や取り立てが発生することはありません。
| 項目 | 質入れ(質預かり) | 買取 |
|---|---|---|
| 所有権 | 手元に残る | お店に移る(売却) |
| お金の受け取り方 | 品物を担保に借りる | 品物を売って代金を受け取る |
| 品物は戻る? | 戻る(期限内に返済すれば) | 一度売ると戻らない |
| 返済できない場合 | 質流れで契約終了・返済義務なし | 返済という概念なし |
| 取り立て | なし | なし |
| 向いているケース | 後で品物を戻したい | もう使わない物をお金にしたい |
このように、「手元に戻せるかどうか」が質入れと買取を分ける最も大きなポイントです。
質屋と消費者金融の違い
質屋と消費者金融の最大の違いは、お金を借りる際の仕組みにあります。質屋は、お客様が持ち込んだ品物(質草)を担保として預かり、その価値に応じて融資を行う方式です。
現物という確実な担保があるため、収入や過去の借入状況といった信用情報を確認する厳しい審査は必要ありません。
一方、消費者金融は信用情報を基に審査を行うため、返済能力が重視されます。そのため、過去の金融事故歴がある場合や収入が不安定な方は借りにくい場合があります。
また、返済できなくなった場合の扱いも大きな違いです。消費者金融は返済義務が残り、延滞すれば遅延損害金や督促、信用情報への傷が発生します。
対して質屋は、返済できない場合でも預けた品物を手放せばそこで契約が終了し、返済義務や取り立ては一切ありません。
| 項目 | 質入れ(質預かり) | 買取 |
|---|---|---|
| 所有権 | 手元に残る | そもそも売買ではないため概念なし |
| お金の受け取り方 | 品物を担保に借りる | 信用情報と返済能力で融資判断 |
| 品物は戻る? | 戻る(期限内に返済すれば) | 品物という概念がないため戻るものなし |
| 返済できない場合 | 質流れで契約終了・返済義務なし | ・返済義務が残る ・延滞で遅延損害金あり |
| 取り立て | なし | 延滞すると督促あり |
| 向いているケース | 後で品物を戻したい | 返済計画を立てて借りたいとき |
このように、仕組み・審査・返済リスクという3つの観点で大きな差があるのが特徴です。
質屋の利息はどれくらい?

質屋の利息は「質料」と呼ばれ、品物の保管料を含む点が一般的な金利との大きな違いです。そのため、消費者金融の金利と比較すると高く見えることがあります。
質屋営業法では、質料の上限を年率109.5%(月利9%)と定めています。
ただし、すべての質屋がこの上限近くの利率を設定しているわけではありません。多くの店舗では、借入金額が大きいほど利率が下がる仕組みを採用しています。
また、質屋の利息は 月単位で計算されるため、日割り計算ができない点には注意が必要です。1日だけの利用であっても1ヶ月分の利息がかかります。
質屋の利息について以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
>> 質屋の金利や利息は高い?計算方法や利用するメリット・デメリットまで解説
質屋でお金を借りるメリット

質屋でお金を借りるメリットとして、以下が挙げられます。
・信用審査なしで即日融資が可能
・返済不要でもブラックにならない
信用審査なしで即日融資が可能
質屋の大きなメリットは、品物を担保にするため信用情報の審査が不要で、すぐに現金を受け取れる点にあります。
過去に金融事故歴がある方でも利用でき、取引が信用情報機関に記録されることもありません。
手続きも非常に簡単で、品物と身分証明書を持参して査定と必要事項の記入を行えば、来店から最短30分ほどで現金を受け取れます。「とにかく今すぐ現金が必要」という場面でも柔軟に対応できる仕組みです。
また、借入時に事務手数料や鑑定料などが別途かかることはなく、利用者が負担するのは利息(質料)のみです。利用のハードルが低く、スピードと安心感を両立したサービスと言えます。
返済不能でもブラックにならない
質屋には、銀行や消費者金融にはない返済時の精神的負担の少なさという大きなメリットがあります。
返済期限(通常3ヶ月)を過ぎて質流れとなった場合でも、借りた元金や利息の返済義務はその時点で消滅し、催促や取り立てが行われることもありません。
さらに、質屋での取引は信用情報に影響しないため、質流れになっても住宅ローンなどの金融審査に不利になることはありません。いわゆる「ブラックリスト入り」の心配がない点も安心材料です。
失うリスクはあくまでも預けた品物のみで、それ以上の負担が発生しない仕組みのため、初めての方でも利用しやすい特徴があります。
質屋でお金を借りる時の注意点

質屋でお金を借りる時の注意点として、以下が挙げられます。
・利息や保管期間を必ず確認する
・質流れに気を付ける
利息や保管期間を必ず確認する
質屋は短期的な資金調達には非常に便利ですが、利息(質料)は月単位で計算され、法律上の上限も月利9%と高めに設定されています。そのため、長期間の借り入れには向かず、結果的に負担が大きくなる可能性がある点には注意が必要です。
また、利息の計算方法が「満月計算」か「暦月計算」かによって、同じ期間借りても利息額が変わることがあります。利用前にどちらを採用しているか必ず確認しておくと安心です。
質流れに気を付ける
質預かりの保管期限は原則3ヶ月で、期限を1日でも過ぎると預けた品物は自動的に質流れとなり、取り戻すことができなくなります。大切な品物を失わないためにも、期限の管理はしっかり行いましょう。
質流れを防ぐ最も効果的な方法は、流質期限が来る前に利息(質料)を支払い、保管期間を延長する「利上げ」を行うことです。
利息を支払えば何度でも延長できるため、まとまった元金が用意できない場合でも大切な品物を守ることができます。
また、店舗によっては質流れを避けるために、期限前に電話で知らせてくれるサービスを実施していることもあります。利用時にこうしたサポートの有無を確認しておくと、より安心して預けることができます。
質屋を利用する人の特徴とは?

質屋を利用する人の特徴として、以下が考えられます。
・手元にすぐ現金が必要な人
・高価な品物を手放したくない人
手元にすぐ現金が必要な人
質屋の利用者は性別・年齢を問わず幅広い層に及びますが、共通しているのは 「手元にすぐ現金が必要」 という緊急性の高い資金ニーズがあることです。
給料日前の生活費、急な冠婚葬祭費、事業資金のつなぎなど、3万〜10万円ほどの短期資金を求めるケースが多く見られます。
質屋は即日融資・審査不要という大きな特徴を持つため、さまざまな職種・ライフスタイルの人々から支持されているサービスです。
高価な品物を手放したくない人
質屋は、思い入れのある高級品を「手放さずに」一時的な資金調達をしたいときに便利なサービスです。
例えば、売却はしたくない高級腕時計やブランドバッグを担保として預け、必要な資金を用意した後に品物を受け取るという利用方法が一般的です。
これは、質屋が単なる金融機関ではなく、大切な品物を安全な質蔵(保管庫)で管理する役割を担っているためです。また、品物の保管料が質料に含まれる仕組みを活かし、自宅の倉庫代わりとして質屋を利用するケースもあります。
このように、質屋は「資金調達の手段」と 「貴重品の安全な保管場所」 という2つの機能を兼ね備えており、さまざまな目的で活用されています。
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