「急遽お金が必要になったけど、手持ちがない・・・」
と悩んでいる方の中には、質屋の利用を検討している方もいるでしょう。
ただ、質屋は銀行や消費者金融のカードローン、それからクレジットカードのキャッシングなどに比べると知名度が低いため、中々利用できずにいる方も多くいるはずです。
そこでこの記事では、質入れとは一体何か、メリットやデメリットは何かということについて詳しく解説していきます。
質入れとは?
質屋とは、ブランド品や時計、電子機器など価値のある品物を担保にお金を借りられるサービスのことです。
冒頭でも解説したように、質屋はそこまで認知度が高くなく、
「存在は知っているけど、仕組みは知らない」
という方も多くいます。
ただ、質屋は決して怪しいサービスではなく、日本では約800年前の鎌倉時代から続いている金融業の1つです。
質屋に担保となる品物を預けてお金を借りることを「質入れ」と呼びます。
質入れを行った場合、担保として預けた品物の価値に応じてお金を借りられ、期限までに返済すれば担保として預けた品物を返してもらえます。
期限までに返済しなかった場合、質流れといって、預けた品物が質屋の手に渡ります。
これが質屋の基本的な仕組みです。
買取との違い
質入れと似たシステムに「買取」というのがあります。
ほとんどの方は、質入れよりも買取の方がなじみ深いでしょう。
質入れと買取の代表的な違いは、所有権にあります。
買取は、品物の価値に応じたお金を受け取り、所有権を手放すことです。
一方、質入れは売るのではなく、質屋に品物を預けて、その価値に応じたお金を借りられるシステムであり、所有権は持ち主にあります。
ただし、期間内に返済ができなかった場合は、質流れとなり、所有権が質屋に移ります。
また、質入れと買取では査定額も異なり、買取の方が質入れに比べて1割~2割ほど高い金額で査定されることが多いです。
質入れのメリット
では次に、質入れのメリットについて詳しく見ていきましょう。
信用情報のチェックがない
消費者金融などからお金を借りる場合、まずは返済能力や現在の借入状況などが審査され、それに基づいて融資の可否が決まります。
過去に支払い遅延があったり、既に高額の借り入れがあったりすると、審査に通らないこともあります。
しかし、質屋を利用する場合、担保となる品物の価値に応じて融資が受けられるため、信用情報のチェックがありません。
また、質屋を利用した記録も残らないため、安心して借入を申し込めるのです。
返済すれば品物が戻ってくる
質入れは、質屋に担保となる品物を”預けて”お金を借りることを指します。
期間内にお金を返済すれば品物が戻ってきますので、大切な品物を手放す必要がありません。
また、質屋によっては期間の延長や元金の一部入金など、柔軟に対応してくれるところもあるため、無理のない返済計画を立てやすいです。
督促がない
金融機関からお金を借りた場合、期限までに返済しないと督促が届きます。
この督促を無視していると、会社に連絡が入ったり、給料を差し押さえられたりすることもありますので注意しなければなりません。
一方、質入れの場合は督促がなく、期限までに返済が行われなかった場合は質流れとなり、品物が質屋の手に渡ります。
これは、言い換えれば返済の義務がないということになりますので、品物が流れてしまっても良いという方にとっては非常に便利なサービスといえるでしょう。
すぐに融資可能
金融機関から借り入れを行う場合、先ほど解説したようにひとまず審査が行われます。
そのため、場合によっては現金を手にするまでにある程度時間がかかってしまうことがあるのです。
一方、質入れの場合は手元にある品物を預けて、その価値に応じた現金を即日融資してもらえるため、緊急性が高い場合にとても便利です。
家族にバレない
金融機関からお金を借りた場合、自宅に郵便物などが届くケースがあります。
このような郵便物から、お金を借りていることが家族に知られてしまうケースもあるのですが、質屋の場合は督促もありませんし、郵便物が届くわけでもないため、誰にも知られずにお金を借りられます。
手数料が発生しない
金融機関からお金を借りる場合、
- 手数料
- 印紙代
などが発生しますが、質屋の場合はこれらの費用がかかりません。
査定費用についても、基本的には無料になることが多く、金額に納得できなければその場で融資を断ることもできますので、初めての方でも安心です。
質入れのデメリット
では次に、質入れのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
利息が若干高めになることもある
消費者金融や銀行は、利息制限法の対象となっており、貸付金利の上限は年利20.0%となっています。
一方、質屋は利息制限法の対象外となっているため、年利20.0%を超える金利を設定したとしても違法にはなりません。
金利は質屋によって異なりますが、銀行や消費者金融よりも高めに設定されるケースもありますので、事前に確認しておかなければなりません。
ちなみに、質屋の上限金利は「質屋営業法」に基づき、109.5%まで許可されています。
品物によっては質入れができない
手元にある品物を預けるだけでお金が借りられる質屋は、非常に利便性の高いサービスですが、全ての品物に対応しているわけではありません。
以下のような品物は、質入れを断られる可能性が高いです。
- 偽物のブランド品
- ノーブランドのバッグや財布
- 状態が極端に悪い品物
質屋には、専門の査定士が在籍しており、特に偽物の品物についてはすぐにバレます。
また、ノーブランドの品物や状態が悪い品物については、質入れを断られるケースが多く、仮に預けられたとしても借入金額が極端に少なくなってしまうことがありますので注意しましょう。
質流れしたら担保品を取り戻せない
質入れをする場合、必ず返済期日が設けられます。
この期日までに返済すれば、預けていた品物が手元に戻ってきます。
しかし、期日までに返済ができなかった場合、質流れとなり所有権が質屋に移りますので注意してください。
質流れすると、いかなる場合でも品物を取り戻すことができなくなります。
どうしても取り戻したい場合は、店舗の販売価格で購入することになりますので、返済期日は必ず確認しておきましょう。
必ずしも希望金額を借りられるわけではない
質屋は、必要な金額を伝えてお金を借りるシステムではなく、預けた品物の価値に応じて融資額が決まるサービスです。
そのため、預けた品物によっては希望金額を借りられないケースがあります。
ある程度まとまったお金が必要な場合、中古市場で価値のある品物を預ける必要がありますので注意してください。
質入れの流れ
では次に、質入れの流れを簡単に説明していきます。
ステップ1:担保品を査定に出す
質入れをする場合は、ひとまず担保品を質屋に持ち込み、査定を受ける必要があります。
先ほども解説したように、質屋では希望金額を融資してくれるわけではなく、担保品の価値に応じた金額を融資してくれるため、価値があるものを持ち込まなければなりません。
ステップ2:本人確認
査定が完了したら、本人確認を行います。
「本人確認は絶対しなきゃダメなの?」
という疑問を抱えている方もいると思いますが、質屋営業法と古物営業法では、初回利用時に身分証明書の提出が義務付けられているため、どの質屋でも必ず本人確認を行います。
身分証明書を忘れると質入れができませんので、必ず持っていくようにしてください。
ステップ3:担保品を預けて現金を受け取る
本人確認が完了したら、利用手続きを行って現金を受け取ります。
この時に、現金と一緒に「質札」が渡されます。
質札には、
- 契約日
- 顧客番号
- 金額
- 商品名
- 利息額
- 期限
などの重要情報が記載されていますので、大切に保管しましょう。
質屋を利用するときに覚えておくべきこと
では次に、質屋を利用するときに覚えておくべきことについて詳しく解説していきます。
担保になるもの
質屋を利用する際は、担保品を預ける必要がありますが、何でもかんでも預けられるというわけではありません。
ブランド品や貴金属など、中古市場において価値があるものでないと担保品として預入れができないため注意してください。
また、
- 腕時計
- 電子機器(パソコンやスマホなど)
- 楽器
- 工具
- スポーツ用品
- 呉服
なども預かりの対象となる場合があります。
ただし、質預かりの対象となる品物は質屋によっても異なるため、事前に確認しておくのがおすすめです。
借りられる金額
質屋で借りられる金額は、担保品の価値に応じて決められます。
ここで注意していただきたいのが、担保品の査定額を全て融資してもらえるわけではないということです。
質屋では、担保品の査定額の大体8割ほどが融資金額となります。
例えば、20万円の品物を預けた場合、大体16万円ほどが融資金額になるということです。
借りられる期間
質預かりには期間があり、その期間を過ぎても返済がない場合は質流れとなって、担保品の所有権が質屋に移ります。
質預かりの期間は、基本的に3カ月となりますので、無理のない返済計画を立てましょう。
金融機関とは違い、質屋は返済の催促を行いません。
これは質屋ならではのメリットともいえますが、デメリットもいえます。
うっかり返済期日を忘れてしまうと、大切な品物が質流れになってしまいますので注意してください。
必要な持ち物
質屋を利用する際に必要な持ち物は、以下2つです。
- 身分証明書
- 担保品
身分証明書については、以下のようなものが認められます。
- 免許証
- パスポート
- 保険証
- 住民票
- マイナンバーカード
- 在留カード
- 障がい者手帳
- 印鑑証明書
- 戸籍謄本(妙本)
- 住民基調台帳カード
ただし、質屋によって本人確認書類として認められる書類が変わりますので、事前に確認しておきましょう。
利息
質屋からお金を借りる際も、金融機関同様「利息」を支払う必要があります。
ただし、先ほども解説したように、質屋は利息制限法の対象外となっており、店舗によって利息が異なりますので注意が必要です。
質入れをした後に後悔しないためにも、事前に確認しておきましょう。
お得に質屋を利用するためのポイント
では次に、お得に質屋を利用するためのポイントをいくつか紹介していきます。
複数の品物を担保品として出す
質入れに限った話ではなく、買取にも同じことがいえるのですが、査定額を上げたい場合は複数の品物をまとめて担保品として預けるのがおすすめです。
そうすることにより、借りられる金額が上がる可能性があります。
当然、期日までに返済すれば預けた品物は全て返ってきますので、
「まとまった金額を借りたい」
という方は、複数の品物を担保品として査定に出してみましょう。
元金を減らす
質屋の利息は、元金に対して発生してきます。
元金が多ければ多いほど利息も高くなってしまいますので、できるだけ利息を抑えたいという方は、無理のない範囲で元金を多めに返済しましょう。
そうすることによって、利息が安くなるため、お得に質屋を利用できるようになります。
質流れする前に買取に変更する
質屋では、期限までに返済が行われない場合、質流れとなって担保品の所有権が質屋に移行します。
期限までに返済すれば担保品は返ってくるのですが、場合によっては、
「期限までに返済できない・・・」
となってしまうこともありますよね。
そのような場合は、途中から買取に変更するのがおすすめです。
そうすることにより、質流れによる不利益を避けられるようになります。
また、買取の際は質入れ時に比べて高額査定になる可能性が高いため、返済が難しい場合や、担保品を取り戻す必要がなくなった場合は、買取への変更も検討してみてください。
質屋を利用するときの注意点
質屋を利用することによって、突発的な出費にも対応しやすくなります。
ただし、質屋の中には必要な許可を取得していなかったり、査定無料といっておきながら、何かと理由をつけて料金を請求してきたりする悪質業者も存在していますので注意が必要です。
質屋を利用する際は、店舗の実績やシステムなどをしっかりと確認しておきましょう。
まとめ
質入れとは、価値のあるものを担保として預け、品物の価値に応じた金額を借りられるシステムのことを指します。
期限までに返済をすれば、担保として預け入れた品物が返ってくるため、突発的な出費が発生した際などに便利です。
質入れならではのデメリットもいくつか存在していますが、トータルで見るとメリットの方が大きくなります。
「まるみや商店」では、質と買取を行っており、価値がつくものであれば基本的にはどのようなものでも「質入れ」「買取」が可能となっています。
当店は、昭和24年創業の歴史ある質屋であり、初めての方でも安心してご利用いただけますので、少しでも気になる方はお気軽にご相談ください。